私たち想い

子どもたちは日々大なり小なり悩みを抱えて生活しています。他人の捉え方によってその大きさには個人差があります。他人からしたら『そんなの大したことではないよ』と感じられてしまうかもしれません。ただ当の本人にとっては考えると眠ることができないほどの大きさに感じてしまいます。

ですが、まだ生まれて十数年しか経っていない子どもたちです。明日からの未来の方が果てしなく長い期間残されているのです。しかし、未来に光を見い出せずに悩んでいる子供たちが多くいます。

そこで、最初に手を差し伸べるのが親たちの役目になります。しかし、難しい年頃の子どもたちは親の話には耳を傾けないどころか、『何にもわかっていないくせに』と反抗してしまいます。本当は一番近くにいる親に話を聞いてもらいたいというのが子どもたちの本音ですが、現在の日本社会における家族の在り方が、親子の時間を短くしてしまっているような気がします。学校で嫌なことがあって落ち込んだ気持ちで家に帰ってくると、親や兄弟が待っていて会話をしていくうちに自然と気持ちが落ち着いていく、こんな日常のワンシーンの積み重ねが子どもたちにとって必要な時間かもしれません。

我々の教室では、家族の代わりとまではいかないまでも、子どもたちが家に帰ってきたような光景を良く目にすることができます。明らかに不機嫌な態度で教室に入ってくる生徒、普段はしっかりと挨拶をするがイスに足を投げ出して座っている。これは学校か家庭で何かあったなと話を聞いてみると、最初は『別に何もないよ』と話そうとはしてくれない。そこでいつも通り授業を進めながら生徒の気持ちに寄り添っていくと、『実は今日学校で・・・』と話し出してくれる。あとはあれこれ言うより話をひたすら聞いてあげる。帰るころには気持ちが吹っ切れたように表情も明るく挨拶をして教室をあとにする。

家族の代わりはできないですが、当社の教室はただ勉強を教える場だけの存在ではないと考えています。家庭・学校以外の第三の子どもたちの居場所になりたいと教室運営をしています。下町の近所にいる口うるさい世話好きなおばさんやおじさんのような存在に近いかもしれません。

子どもたちが教室に来た時の挨拶は、ふつうは『こんにちは』『こんばんは』ですが、当社の教室では『ただいま』と挨拶してくれる子どもたちも多くいます。

当然の事なのですが、学習塾では勉強(知識)を教えて試験で良い点数(合格)をとることが大切です。ただ、当社の教室はそれだけではなく、社会に出て必要な応用(知恵)や力強く生き抜いていくための心身(姿勢)を子どもたちにつけていきたいと考えています。